マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

ビジネスマナー 訪問の基本!

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取引先を訪問する際にマナーを心得ていないと、企業イメージを損なうだけでなく、取引を中止される事にもなりかねません。特にビジネスマナーは、仕事をする上での社会人常識です。今回は、取引先を訪問する際に心得ておくべきマナーをご紹介します。

 ■アポイントを必ず取る

相手の会社に訪問する際は、必ずアポイントを取りましょう。アポイントの取り方は、電話やメールなどが一般的。訪問の目的と人数、所要時間を伝え、日時は相手の都合を優先させます。訪問する人の肩書きなども伝える事で、訪問先も誰が対応するのか準備ができます。

近くに来たからと、突然行くのはマナー違反。そんな場合でも事前に電話を入れ、アポイントを取ってからにしましょう。

■約束の5分前に訪問する

時間にルーズな人は信頼されません。従って遅刻はあってはならない事です。不測の事態も考えて、余裕をもって行動をしましょう。しかし、早く着いたからといって、自分の都合で約束の時間よりずいぶん前に行くのは失礼です。受付には約束の5分前位に着くようにしましょう。

■遅れる時は必ず連絡を入れる

事故や交通渋滞に巻き込まれたら、その時点で先方に「何分くらい遅れそう」という連絡を入れます。その場合は、お詫びの言葉を添えて電話をするのが基本です。相手が席を外していたら伝言でもかまいません。メールは相手がすぐに確認できるかわからないので、電話が望ましいでしょう。

■訪問先に入る前にコートを脱ぐ

訪問する際は、相手の敷地内やビルに入る前にコートを脱ぐようにします。これは外のチリやホコリを持ち込まないための配慮です。その為、コートは内側に折りたたみ、裏地を表にして腕にかけます。コート以外のマフラーや手袋も外します。

■応接室に通されたら、下座に座って待つ

会議室や応接室に通された場合、基本は末席で待ちますが、案内係が上席を示して「こちらにお掛けになってお待ちください」と言われたら、その好意を受けて“上席の下座側”に座って相手を待ちます。「上席」とは椅子の席を指し、下座側とは出入口に近い側の方という事です。

コートは、椅子の背にかけるか、空いている椅子の上にきちんと畳んで置きましょう。ビジネスバッグは自分の下座側の床に直接置くのが基本。ソファや椅子の上に置くのはやめましょう。

 ■手土産は紙袋から出して渡す

持参した手土産は、床に置いてはいけません。手土産は挨拶の直後に渡しますが、お礼などの改まった場合は、紙袋から出して正面を相手に向け、両手で差し出します。紙袋はゴミになるので基本はたたんで自分で持ち帰りますが、相手から「こちらで処分しましょうか?」と言われたらお願いしてもかまいません。

「スタッフの皆様で召し上がってください」のような気軽な手土産の場合は、袋に入れたまま渡してもかまいません。その場合は「袋のままで恐縮です」と、一言添えると良いでしょう。

■相手が入室したらすぐ立って挨拶する

相手の方が入室したらすぐ立ち上がります。“立つ”という行為は、相手に敬意を表す事なので、いつまでも座っているのはビジネスマンとして失格です。立ち上がったら、相手より先に自分から挨拶すると好印象です。着席は相手から「どうぞおかけください」と勧められてからにしましょう。

■退室の仕方

約束の時間の10分前くらいになったら、訪問した側から話を切り上げるのが基本です。退出する際は、立ち上がってお礼を述べます。忘れ物がないかも確認します。

相手が見送ってくれる時は、見送りを一度は辞退するのがマナーですが、かといって固辞するのも相手の気持ちを無にするので失礼です。その場の状況に応じて対応しましょう。

コートは玄関を出でから着るのが基本ですが、室内であっても相手から勧められたら着用しても構いません。

相手のビルを出るまでが「訪問」です。気を抜かずに最後までスマートな振る舞いを心がけましょう。

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結婚祝いの贈り方に、迷うことありませんか?

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親戚や友人の結婚が決まって「結婚祝い」を贈りたいと思う時、何をどのように贈ろうかとあれこれ迷うことがあります。一口に「結婚祝い」と言っても、相手との関係、挙式・披露宴に招待され「出席する場合」、「しない場合」、「披露宴に招待されていない場合」など、状況により対応は異なります。

今回は結婚祝いの贈り方の基本的なマナーを、ケース別に確認してみましょう。

■挙式、披露宴に出席する場合

結婚祝いは、式の当日に現金で贈るのが最近では一般的です。ご祝儀の金額については、身内、友人、同僚、部下といった相手との関係によって変わります。さらに披露宴の会場、規模なども考慮して決めると良いでしょう。

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<結婚祝いの相場『「最新版」さすが!と言わせる大人のマナー講座』261ページより抜粋>

※お祝い金は、お付き合いの度合いや諸事情によって変わるので、あくまでも目安としてください。

■結婚式、披露宴に出席できない場合

招待状をいただいたのに事情があって出られない場合は、返信ハガキを出した後に、ご祝儀やお祝いの品を、欠席のメッセージを添えて自宅に贈ります。宛名は、新郎新婦の連名か、お付き合いのある方宛にします。その場合の予算は、「お祝い」が主なので、披露宴で出される食事の金額を差し引いた程度でよいでしょう。

披露宴の当日は祝電を送り、「お祝い」の気持ちを伝えましょう。文中では「恵子さんおめでとうございます・・」のように名前を使うと良いでしょう。祝電は前日までに会場に届くように手配します。

■入籍だけの場合や披露宴に招待されていない場合

最近は、披露宴をせずに入籍だけをするケースも増えています。相手との関係にもよりますが、結婚の報告を受けた時点でお祝いをしたい気持ちがあれば、ご祝儀やお祝いの品を贈るか、あるいは二人を食事に招くなどすると良いかもしれません。ご祝儀は、相手の負担にならない程度の額にします。披露宴に招待されていない場合も同様です。

■会費制の場合

会費制の披露宴の場合は、会費にお祝いが含まれていると考え、基本的にそれ以上を差し上げる必要はありません。

ただし、相手との関係によって会費以上の事をしたいのであれば、会費にプラスしてお祝いの気持ちを包んだり、お祝いの品を差し上げてもよいでしょう。その場合は、披露宴当日ではなく事前に届けるか、後日、落ち着いた頃に渡すようにしましょう。会費は、受付で財布から直接出してもかまいませんが、お釣りのないように事前に用意し、お札はできれば新券の方が良いでしょう。

■結婚祝いに品物を贈ってもよいか?

現金を贈ることが一般的になっています。しかし、記念になる物を考えて贈ることは、けっして失礼ではなく、本来の結婚祝いの形とも言えます。

ただし、贈る側があげたい品物でなく「相手に喜ばれる品物」を選ぶことが基本です。いくら高価でも、好みでない物をもらうのは嬉しくありません。相手に希望を聞くと良いでしょう。友人数人と一緒に品物を贈れば、選択肢も広がるし、思い出になる品物を贈ることができるのでおすすめです。参考までに、品物選びのポイントをいくつかあげてみます。

  • 新生活に役に立つ実用品や、インテリアになる物
  • 日常生活でも使えるもので、自分ではなかなか買わない高級品
  • ワイングラスやブランドのティーカップなど二人ペアのもの

お祝いの品物を披露宴会場に持参するのはマナー違反です。

かつては挙式前のお日柄の良い日の午前中に、新郎か新婦の家に持参するのが正式でしたが、挙式の準備で忙しい相手に配慮し、最近では宅配便などで贈ることが多くなっています。お祝いの品は、結婚式の10日前までに先方に届くように手配します。その時、必ずメッセージを添えましょう。

結婚式は人生最大のお祝いです。どのような場合であっても、二人の門出を心から喜び、これからの幸せを願う気持ちがしっかり伝わるようにしましょう。

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雛人形はいつから飾るのが正しいですか?

雛祭りは女の子の健やかな成長を願う行事です。「上巳(じょうし)の節供」「桃の節句」とも呼ばれ、雛人形を飾り、桃の花、白酒、菱餅、雛あられなどを供え、ちらし寿司や蛤のお吸い物などのお料理を楽しみます。

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<写真は桃の節供の室礼> 意味は以下の通りです

  • 紅白人形(こうはくひとがた):もとの形代(かたしろ)は、これで身体を撫で自分自身の厄を移すもので、草や木、紙などで作りました。
  • 雛あられ:昔は、米飯の「おこげ」を洗ってあられにしたとも言われ、これは子供たちに倹約を教える意味もあったようです。
  • 白小皿:白い小皿は祭器。
  • 手毬:地面に向かってつく手毬は女子の象徴で、色付きにします。天に向かって蹴る蹴鞠(けまり)は男子の象徴で、白色にします。
  • 菱形赤奉書紙:祝いと厄除けを赤色に託し、長寿を願う形の菱形に菱餅の意味を託します。

■雛祭りの由来

上巳とは、旧暦3月の最初の巳の日の事で、古代中国では、その日に川で身を清める禊祓い(みそぎばらい)の風習がありました。それが日本に伝わり、時代とともに変化してきました。

すでに平安時代には、季節の変わり目に人の形をした形代(かたしろ)または人形(ひとがた)で身体を撫でて穢れを移し、その紙を川や海へ流して災難や厄をまぬがれるという儀式が貴族の中で行われていたようです。それが「流し雛」のルーツと言われています。その形代が白い布で作られたぬいぐるみから次第に美しい衣装を着せられた人形になると、川に流さずに家の中で飾るようになりました。

さらに今日のようになったのは室町時代後期のことで、江戸時代になり「雛祭り」が五節供(※)の一つになると庶民の間にも広まり、現在のような雛壇が登場し、豪華な鑑賞用の飾り雛が作られるようになりました。

※五節供:古くから続く節供の中でも、江戸幕府が特に重要なものとして定め、公的な行事・祝日とした以下の5つ

  • 人日(じんじつ)の節供  1月7日
  • 上巳(じょうし)の節供  3月3日
  • 端午(たんご)の節供   5月5日
  • 七夕(しちせき)の節供  7月7日
  • 重陽(ちょうよう)の節供 9月9日

■雛祭りのお供えや祝い膳のいわれ

  • 桃の花:中国では桃の木は邪気を払うと言われ、この時期に咲く菜の花とともに、古くから上巳の節供でお供えます
  • 桃花酒:桃に「百歳(ももとせ)まで生きる」という長寿の願いを込めて、桃の花びらを浮かべたお酒を飲みます
  • 白酒:白酒はみりんや焼酎等に蒸したもち米や米麹を1ヶ月程度熟成させた後、軽くすりつぶして造ります。甘酒とはまったく違うもので、アルコール飲料です。
  • 菱餅:宮中で食べられた三色の菱形の餅。菱形は魔をよけるとされ、三色は上から桃、白、緑。一説では桃が「魔よけ」、白が「清浄」、緑が「健康」を表していて、三色が「悪いものを取り除き、清く健やかに育ち、長寿であるように」という願いを形にしたと言われています。
  • 雛あられ:地域によって違いがありますが、一般的には菱餅を細かく切って油で揚げたものです。
  • ちらし寿司節供にはその季節の特別料理が用意されます。海や山の幸を使った彩りの綺麗なちらし寿司は、まさに女の子の節供にふさわしいお料理です。
  • 蛤のお吸い物:蛤の殻が同じ貝同士しか合わない事から女性の貞操を表すと言われ、一生一人の人と添い遂げられるようにとの願いが込められています。

雛人形の飾り方

日本では古来、左が上位とされていた為に、雛段飾りから見て左側が男雛、右側が女雛という風に並べられていました。

しかし大正天皇即位式から西洋の基準である「右上位(右が左より上位)」が取り入れられ、右側に天皇陛下、左側に皇后陛下が立たれたことから、右側に男雛、左側に女雛と並べる地域が増えてきました。京都や奈良などでは、今でもかつての基準に則して左側が男雛、右側が女雛と並べている家が多いと言われています。

雛人形の飾る期間

“いつからいつまで”という決まりはありませんが、目安として、立春過ぎから2月中旬に飾ると良いとされています。

「雛祭りが終わったら、すぐに雛人形を片付けないとお嫁に行くのが遅れる」などと言われますが、これは「片づけができないようでは、良いお嫁さんになれない」という言い伝えによるもので、必ず3月4日に雛人形をしまわなければいけないという事ではありません。3月中旬までの“お天気の良い湿気が少ない日”に、片付けるのが良いでしょう。

1年に1度しか出さない雛人形だからこそ、丁寧に扱い、いつまでも大切にしたいものです。

 

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ちょっとした心得でお料理を美しくいただく (フレンチ篇)  

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 食事の席を楽しむ為のルールが「テーブルマナー」です。フォーマルな席で、マナー違反を恐れるあまりせっかくのお料理を十分に楽しめないのは残念なことです。

そうならない為にも、ちょっとしたテーブルマナーのポイントを心得ておくといいですね。

■カトラリーを使いこなすコツ

フレンチ(西洋料理)をスマートにいただく為には、カトラリーを優雅に使いこなせることが必要です。カトラリーとは、ナイフやフォーク、スプーンなどの総称で、語源はCUT(切る)と言われています。

日本人はナイフやフォークの使い方に慣れていないため、力を入れすぎて音を立てたり、姿勢が悪くなってしまうようです。背筋を伸ばして、軽く肘をはり、皿に対してナイフとフォークを水平の高さに持つと切りやすく、持ち方も美しく見えます。

グラスを持ったり会話をする時は、ナイフとフォークを「ハ」の字に皿に置きます。皿の上に揃えて置くと「食べ終わりました」のサインになってしまいます。頭ではわかっていても、つい話に夢中になり、料理を食べ終えているのに「ハ」の字のままになっていたり、ナイフの刃先を相手の方に向けていないかなども注意しましょう。

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<ナイフ・フォークの置き方『マナー&プロトコールの基礎知識』87ページより抜粋>

■グラスをカチンと合わせる「乾杯!」はマナー違反

乾杯は、食事が始まる合図です。しかし、公式の場で、乾杯の時にグラスを合わせて音を立てるのは絶対にやめましょう。高級なグラスは繊細なので壊れてしまう恐れがあるからです。乾杯は、グラスを胸元の高さまで持ち上げて、周囲の人とアイコンタクトを取りながら「乾杯」を表現しましょう。

一方、カジュアルな席では、グラスは厚手の物も多いことから、周囲の人に合わせて「カチン」と軽くグラスを合わせて乾杯しても良いでしょう。食事は楽しくすることが大切です。その場の雰囲気に合わせて臨機応変に対応する柔軟性も必要です。

■ナプキンの使い方

ナプキンは、手や口元が汚れた時に拭うためのものです。料理が出てくるタイミングで、二つ折にした折り目を手前にして、膝の上に置きます。

指先や口元が汚れた時は、折りたたんだ内側で拭くと、服に汚れがつく心配もなく、他人からも汚れが見えません。ナプキンは汚しても気にする必要はありませんが、女性の口紅がべっとり付くのはスマートではありません。その為、食事の前に口紅はティッシュなどで軽く落としておきましょう。

ナプキンがひどく汚れたり、床に落としてしまったら、サービス係を呼んで新しい物に変えてもらえば良いでしょう。なお、ナプキンが用意されているのに汚すことを気にして、自分のハンカチを使う必要はありません。

また、やむを得ず中座する時は、ナプキンを軽くたたみ、椅子の背にかけておけば「戻ってくる」というサインになり、料理を出すタイミングを配慮してもらえます。食事が終わった時は、軽くたたんでテーブルの左側に置きましょう。

このようにテーブルマナーは、サービス係や同席者への合図でもあるのです。

パンのいただき方

運ばれてきたパンを取る時は、一度にたくさん取るよりも1~2個取る方が上品です。足りなければ、サービス係に持ってきてもらいましょう。パンは、パン皿の上で一口大にちぎって口に運びます。丸ごとかじったり、バターナイフで切ったり、一度に全てをちぎるのは不作法です。

カジュアルな店でパン皿がない時は、位置皿の左側のテーブルクロスの上に直に置きます。パンくずがテーブルクロスの上に散らかっても、サービス係が後で片付けてくれるのでそのままにしておきましょう。手でパンくずを寄せたり、拾ったりするのは不作法です。散らからないようにしたければ、パン皿ではなく、料理皿の上でパンをちぎると良いでしょう。

フォーマルな席で楽しく食事をするためには、基本的なテーブルマナーを日頃から意識することがポイントです。

「習うより、慣れよ」という言葉がありますが、繰り返し実践することで、フォーマルな席でも自信を持ってスマートに振舞えるようになるでしょう。

 

日本マナー・プロトコール協会では「テーブルマナー講座」を行っています。実際にレストランでお食事をいただきながらテーブルマナーを習得したい方はぜひご参加ください。

 

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紹介と挨拶のスマートな仕方

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社交の場やビジネスシーンで、人を紹介したり、されたりする機会は多いと思います。そんな時にスマートな紹介を心がけ、好感度の高い挨拶をすることで良好なお付き合いが始まり、交流の輪も広がっていきます。

■紹介の順序

人間関係のスタートは、「紹介」と「挨拶」からです。人を紹介する時のルールは以下の通りです。

A)下位の者を上位の者へ
B)年少者を年長者へ
C)男性を女性へ(レディ・ファーストに則して)

ビジネスシーンでは A)を、社交の場では B)、C)を優先させます。同じ職場や家族など自分に親しい関係の者は「下位」として扱います。

紹介する時のポイント

スマートに人を紹介するには、紹介する人の名前の後に、その人の特徴や人柄がわかるようなエピソードや、紹介する相手と共通するような話題を添えると良いでしょう。初対面の人の印象は紹介の仕方で大きく変わるので、双方にとって喜ばれる紹介をする事が大切です。

スマートな自己紹介

初対面の人と挨拶を交わし、自己紹介をする時に心がけたいことは、親しみやすく、自分自身の人となりがわかる話を交えると良いでしょう。

  • 「はじめまして」「こんにちは」など、挨拶を交わします
  • 「私は○○○○と申します」と自分のフルネームを名乗ります
  • 姓名の由来などを説明すると名前を覚えてもらいやすいでしょう。また愛称があれば「○○と呼んでください」というと親しみを感じてもらえます
  • 勤め先や趣味、スポーツなど自分自身をアピールできる印象深いエピソードなどを手短に話すことで、そこから話が広がっていきます
  • 一方的にしゃべるのではなく、「あなたは?」など、相手の事を聞く配慮も忘れないようにしましょう

挨拶の仕方

挨拶の仕方は国や習慣によって異なります。

西洋の挨拶は「握手」です。姿勢よく立ち、相手の目を見て、握手をします。握手は“あなたに敵意はありません”“手に武器を持っていません”ということを示す為と言われています。

日本人は握手に慣れていないため、恥ずかしさから曖昧な態度になりがちですが、ニッコリと微笑み、堂々と握手をしましょう。また社交の場では、男性から女性に握手を求めないのがマナーです。

それに対して、日本の挨拶は「お辞儀」です。家臣が主君に対して、急所である頭頂部を差し出すことで服従を示しました。

年少者は年長者より先に頭を下げるのがポイントで、長く深くお辞儀することで、相手により敬意を表す事ができます。つい丁寧にしようと何度もペコペコと頭を下げてしまいますが、1度のお辞儀に心を込めた方が見た目も美しく、相手によい印象を与えられます。

挨拶もTPOが大切です。相手の動きに合わせた思いやりのある対応で、よい人間関係を築けるようでありたいものです。

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外国人への贈り物

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贈り物は、相手を大切に思う心を“形”にして表すことです。

日本人は、冠婚葬祭や季節の贈答(お中元・お歳暮)、御礼やお詫びなど、事あるごとに贈り物をする習慣があります。しかし、習慣は国や民族によって異なるので、軽率な贈り方は誤解のもとになるので注意が必要です。

外国人ははっきりした理由がなければ贈り物をしないことが多く、場合によっては下心があると思われかねません。また、過分な贈り物は相手に負担を与え、かえって迷惑になることもあると心得ておきましょう。

そこで、今回は「外国人に贈り物をする時のマナー」をご紹介します。

■特別な日に贈る

誕生日やクリスマス、結婚、卒業など特別な日に贈り物をするのが一般的です。女性から男性への贈り物は、恋人や家族など親しい関係に限られます。

自分で包装する

日本ではお店の包装のまま贈ることが多く、そのお店の包装がステイタスになる場合もあるくらいです。しかし、海外では自分で包装をし直し、カードを添えるのが一般的です。

■花を贈る

西洋の贈り物の原点は、庭に咲いていた花を贈ることからと言われています。そのため現在でも、男女問わず花を贈るのが一般的で、ちょっとした贈り物には花束がよく使われます。その時は、メッセージカードや名刺を添えると良いでしょう。

お見舞いに花を贈る場合、日本では鉢植えは「寝つく(根つく)」として嫌われますが、外国では問題ありません。ただし、香りのきつい花や、花粉や花弁が落ちて散らかりやすい花を避けるのは万国共通です。しかし、病院によっては感染症やアレルギー予防から、生花の持ち込みを禁止している場合があります。事前に可能かどうかを必ず確認しましょう。

現金を贈る時は配慮が必要

日本では結婚式や葬儀に、相互扶助の精神から現金を贈りますが、西洋にはそのような習慣はなく、お祝いやお悔やみの気持ちはまず言葉や手紙で伝えるのが一般的です。現金を贈るのは相手に失礼になることもあるので、どのような場合でも配慮が必要です。

ホームパーティに招かれたら

個人宅に訪問する時、日本では手土産を持参しますが、外国人ではあまり気にしません。もしパーティに何か持って行く場合でも、手作りのお料理やお菓子は避けましょう。それらは、基本的にホステス(主催者夫人)が用意する物だからです。

かつては後日、お礼の会をしていたようですが、それができない場合は、ホームパーティの前日か当日の午前中に、ホステス宛に花を贈ると良いでしょう。

ワインやシャンパンを贈る

ホームパーティの手土産として、ワインやシャンパン、最近では日本酒も人気があるので持参すると喜ばれます。ただし、イスラム教のようにアルコールを禁じている宗教もあるので、あらかじめ相手に確認するのが基本です。

贈ってはいけない物もある

日本では縁起が良いとされている物でも、外国では忌み嫌われる物もあります。例えば中国では、置時計は葬儀を連想させる不吉な物と思われています。また、西洋では白百合は一般的に葬儀の花とされています。このように花や色なども国によってそれぞれの印象や意味が異なるので注意が必要です。

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節分に「豆まき」するのは何故?

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「節分」は、季節の節目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを指していました。旧暦では春から新しい年が始まることから、立春の前日の節分は大晦日にあたる大切な日とされ、次第に「節分」と言えば立春の前日(2月3日頃)だけを指すことになったのです。

<写真は節分の室礼> 意味は以下の通りです。

  • 豆: ”魔滅(まめ)” 魔を滅するという意味
  • 一升枡: 一升は”一生”、枡は”益々や幸福”にかけて「一生幸せであるように」という願いが込められている
  • 柊:鬼の目を葉先で突いて追い払う 
  • 鰯 4本: 東西南北の4方向で鬼を寄せつけないように。「やいかがし」と呼ばれ、鰯を焼いた匂いで鬼を払う
  • 奉書紙: 紙は”神”
  • あたり棒: 鬼退治に使う武器。「すりこぎ」だと「する」が良い言葉でないので「あたり棒」と呼ぶ
  • 鬼柚子:鬼に見立てたり、香りで邪気を払う。身体を温めて風邪を予防する働きがある

<豆まき>

■豆まきの由来

季節の分かれ目は疫病などが流行りやすく、それを“邪気”と呼んでいました。その為、人々に災いをもたらすと考えられていた“邪気”を払う、様々な行事が行われてきました。従って「豆まき」も新年を迎えるための“邪気払いの行事”です。

豆まきは、宮中で行われる「追儺(ついな)の儀式」に由来するもので、鬼に見立てた“邪気”に豆をぶつけて払うようになったのは、室町時代になってからだと言われます。鬼は“邪気”の象徴とされ、災害、病、飢餓などの恐ろしい出来事は鬼の仕業と考えられてきました。この鬼を追い払う豆は、五穀の中でも穀霊が宿ると言われる「大豆」です。

豆は“魔滅”。豆を炒ることは“魔の目を射る”に通じることから、“邪気”を払うために炒った大豆を「福豆」と言い、これを豆まきに使います。

■豆まきの仕方

炒った大豆を升に入れ、神棚にお供えします。そして日が沈んでから、家中の窓や戸を開け放して「鬼は外!福は内!」と大きな声で唱えながら、家の外と内に豆をまきます。豆をまいたら、鬼が入ってこないようにすぐに窓や戸を閉めましょう。

■年の数だけ豆を食べる

豆まきが終わったら、無病息災で1年を過ごせるようにと、残った福豆を食べる風習があります。食べる数は地域によって異なり「満年齢の数」、「数え年の数」さらに「年齢よりもう一粒多く」など、様々です。いずれにしても、これは福運と無病息災を願う習わしです。

<その他の風習>

■やいかがし

鰯の頭を柊に刺し、それを玄関先に取り付ける「焼嗅(やいかがし)」「鰯柊(いわしひいらぎ)」や「柊刺し」などと呼ばれる風習が残っている地域があります。これは鬼が、鰯の異臭と柊の尖った葉先が苦手とされていることから、鬼の侵入を防ぐというおまじないです。

恵方巻

その年の恵方(縁起の良い方)に向かって太巻寿司を丸ごとかじると願いが叶い、無病息災や商売繁盛をもたらすと言われているのが「恵方巻」です。この風習の由来ははっきりしませんが、近年、関西地方から始まりメディアの影響で全国に広がっています。恵方巻は、縁起の良い七福神にちなんで7種類の具を入れ、巻き込んだ福が逃げないように丸ごと1本、恵方の方を向いて無言で食べきると良いとされています。

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