「花祭り」は、お釈迦様が誕生されたとされる4月8日に行われる仏教行事で、正式には「灌仏会(かんぶつえ)」または「仏生会(ぶっしょうえ)」と呼ばれます。
お寺の境内に、花で飾った「花御堂(はなみどう)」というお堂を設け、その中に安置された小さな「誕生仏像」に参拝者が甘茶をかけて、お釈迦様の誕生を祝うとともに、無病息災を願います。
この日は参拝者も多く、華やかな雰囲気に包まれるので、近くのお寺に行ってみてはいかがでしょうか。
■花祭りの歴史
花祭りは、お釈迦様の誕生を祝う行事なので、釈迦を本仏としない宗派を除きほとんどの宗派で行われています。釈迦は紀元前5世紀頃、インドのシャカ族の王子として生まれました。本名は「ゴーダマ・シッダールタ」といい、「釈迦」という呼び名はシャカ族からとったものです。
お釈迦様の誕生日は定かではありませんが、中国歴の4月8日という説が中国から伝わり、それが今日に受け継がれています。日本で最も古い「仏生会」が行われたのは、法隆寺の「聖霊会(しょうりょうえ)」と言われていますが、その後、平安時代になってからお寺の年中行事として一般化したようです。
現在のように花で飾った誕生仏に甘茶をかけるようになったのは、江戸時代の中期になってからです。「花祭り」という名称は、明治時代に浄土宗から始まったと言われ、それ以来、どの宗派でも「花祭り」と呼ぶことが多くなりました。
■甘茶をかける理由
諸説ありますが、お釈迦様が誕生した時に、龍が天から現れて清浄な水を吐き、それを産湯(うぶゆ)にしたという伝説があります。それに基づいて、お釈迦様に香りをつけた水を注ぎかけたのが始まりと言われています。水の代わりに甘茶をかけるようになったのは、江戸時代になってからのことです。
■花祭りと稚児行列
花祭りに「稚児行列」が行われる寺もあります。この稚児行列は、無病息災を祈り、子供自身が神様に仕える日本の伝統行事の一つです。参加する子供達は「御稚児さん(おちごさん)」と呼ばれ、伝統的な昔の装束を身に包み行列します。身も心も清々しくお祓いをうけ、神様のお恵みをいただくという意味も込められています。
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