マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

節分に「豆まき」するのは何故?

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「節分」は、季節の節目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを指していました。旧暦では春から新しい年が始まることから、立春の前日の節分は大晦日にあたる大切な日とされ、次第に「節分」と言えば立春の前日(2月3日頃)だけを指すことになったのです。

<写真は節分の室礼> 意味は以下の通りです。

  • 豆: ”魔滅(まめ)” 魔を滅するという意味
  • 一升枡: 一升は”一生”、枡は”益々や幸福”にかけて「一生幸せであるように」という願いが込められている
  • 柊:鬼の目を葉先で突いて追い払う 
  • 鰯 4本: 東西南北の4方向で鬼を寄せつけないように。「やいかがし」と呼ばれ、鰯を焼いた匂いで鬼を払う
  • 奉書紙: 紙は”神”
  • あたり棒: 鬼退治に使う武器。「すりこぎ」だと「する」が良い言葉でないので「あたり棒」と呼ぶ
  • 鬼柚子:鬼に見立てたり、香りで邪気を払う。身体を温めて風邪を予防する働きがある

<豆まき>

■豆まきの由来

季節の分かれ目は疫病などが流行りやすく、それを“邪気”と呼んでいました。その為、人々に災いをもたらすと考えられていた“邪気”を払う、様々な行事が行われてきました。従って「豆まき」も新年を迎えるための“邪気払いの行事”です。

豆まきは、宮中で行われる「追儺(ついな)の儀式」に由来するもので、鬼に見立てた“邪気”に豆をぶつけて払うようになったのは、室町時代になってからだと言われます。鬼は“邪気”の象徴とされ、災害、病、飢餓などの恐ろしい出来事は鬼の仕業と考えられてきました。この鬼を追い払う豆は、五穀の中でも穀霊が宿ると言われる「大豆」です。

豆は“魔滅”。豆を炒ることは“魔の目を射る”に通じることから、“邪気”を払うために炒った大豆を「福豆」と言い、これを豆まきに使います。

■豆まきの仕方

炒った大豆を升に入れ、神棚にお供えします。そして日が沈んでから、家中の窓や戸を開け放して「鬼は外!福は内!」と大きな声で唱えながら、家の外と内に豆をまきます。豆をまいたら、鬼が入ってこないようにすぐに窓や戸を閉めましょう。

■年の数だけ豆を食べる

豆まきが終わったら、無病息災で1年を過ごせるようにと、残った福豆を食べる風習があります。食べる数は地域によって異なり「満年齢の数」、「数え年の数」さらに「年齢よりもう一粒多く」など、様々です。いずれにしても、これは福運と無病息災を願う習わしです。

<その他の風習>

■やいかがし

鰯の頭を柊に刺し、それを玄関先に取り付ける「焼嗅(やいかがし)」「鰯柊(いわしひいらぎ)」や「柊刺し」などと呼ばれる風習が残っている地域があります。これは鬼が、鰯の異臭と柊の尖った葉先が苦手とされていることから、鬼の侵入を防ぐというおまじないです。

恵方巻

その年の恵方(縁起の良い方)に向かって太巻寿司を丸ごとかじると願いが叶い、無病息災や商売繁盛をもたらすと言われているのが「恵方巻」です。この風習の由来ははっきりしませんが、近年、関西地方から始まりメディアの影響で全国に広がっています。恵方巻は、縁起の良い七福神にちなんで7種類の具を入れ、巻き込んだ福が逃げないように丸ごと1本、恵方の方を向いて無言で食べきると良いとされています。

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