マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

ちょっとした心得でお料理を美しくいただく (フレンチ篇)  

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 食事の席を楽しむ為のルールが「テーブルマナー」です。フォーマルな席で、マナー違反を恐れるあまりせっかくのお料理を十分に楽しめないのは残念なことです。

そうならない為にも、ちょっとしたテーブルマナーのポイントを心得ておくといいですね。

■カトラリーを使いこなすコツ

フレンチ(西洋料理)をスマートにいただく為には、カトラリーを優雅に使いこなせることが必要です。カトラリーとは、ナイフやフォーク、スプーンなどの総称で、語源はCUT(切る)と言われています。

日本人はナイフやフォークの使い方に慣れていないため、力を入れすぎて音を立てたり、姿勢が悪くなってしまうようです。背筋を伸ばして、軽く肘をはり、皿に対してナイフとフォークを水平の高さに持つと切りやすく、持ち方も美しく見えます。

グラスを持ったり会話をする時は、ナイフとフォークを「ハ」の字に皿に置きます。皿の上に揃えて置くと「食べ終わりました」のサインになってしまいます。頭ではわかっていても、つい話に夢中になり、料理を食べ終えているのに「ハ」の字のままになっていたり、ナイフの刃先を相手の方に向けていないかなども注意しましょう。

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<ナイフ・フォークの置き方『マナー&プロトコールの基礎知識』87ページより抜粋>

■グラスをカチンと合わせる「乾杯!」はマナー違反

乾杯は、食事が始まる合図です。しかし、公式の場で、乾杯の時にグラスを合わせて音を立てるのは絶対にやめましょう。高級なグラスは繊細なので壊れてしまう恐れがあるからです。乾杯は、グラスを胸元の高さまで持ち上げて、周囲の人とアイコンタクトを取りながら「乾杯」を表現しましょう。

一方、カジュアルな席では、グラスは厚手の物も多いことから、周囲の人に合わせて「カチン」と軽くグラスを合わせて乾杯しても良いでしょう。食事は楽しくすることが大切です。その場の雰囲気に合わせて臨機応変に対応する柔軟性も必要です。

■ナプキンの使い方

ナプキンは、手や口元が汚れた時に拭うためのものです。料理が出てくるタイミングで、二つ折にした折り目を手前にして、膝の上に置きます。

指先や口元が汚れた時は、折りたたんだ内側で拭くと、服に汚れがつく心配もなく、他人からも汚れが見えません。ナプキンは汚しても気にする必要はありませんが、女性の口紅がべっとり付くのはスマートではありません。その為、食事の前に口紅はティッシュなどで軽く落としておきましょう。

ナプキンがひどく汚れたり、床に落としてしまったら、サービス係を呼んで新しい物に変えてもらえば良いでしょう。なお、ナプキンが用意されているのに汚すことを気にして、自分のハンカチを使う必要はありません。

また、やむを得ず中座する時は、ナプキンを軽くたたみ、椅子の背にかけておけば「戻ってくる」というサインになり、料理を出すタイミングを配慮してもらえます。食事が終わった時は、軽くたたんでテーブルの左側に置きましょう。

このようにテーブルマナーは、サービス係や同席者への合図でもあるのです。

パンのいただき方

運ばれてきたパンを取る時は、一度にたくさん取るよりも1~2個取る方が上品です。足りなければ、サービス係に持ってきてもらいましょう。パンは、パン皿の上で一口大にちぎって口に運びます。丸ごとかじったり、バターナイフで切ったり、一度に全てをちぎるのは不作法です。

カジュアルな店でパン皿がない時は、位置皿の左側のテーブルクロスの上に直に置きます。パンくずがテーブルクロスの上に散らかっても、サービス係が後で片付けてくれるのでそのままにしておきましょう。手でパンくずを寄せたり、拾ったりするのは不作法です。散らからないようにしたければ、パン皿ではなく、料理皿の上でパンをちぎると良いでしょう。

フォーマルな席で楽しく食事をするためには、基本的なテーブルマナーを日頃から意識することがポイントです。

「習うより、慣れよ」という言葉がありますが、繰り返し実践することで、フォーマルな席でも自信を持ってスマートに振舞えるようになるでしょう。

 

日本マナー・プロトコール協会では「テーブルマナー講座」を行っています。実際にレストランでお食事をいただきながらテーブルマナーを習得したい方はぜひご参加ください。

 

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