マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

上座と下座を見分けられますか?(乗り物篇)

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「席次」はその場の序列を表すものです。その「席次」の基本は、目上の方に敬意を表したり、お客様をもてなすために上席に座っていただくことです。

その場の中で最も良い席が「上座(じょうざ・かみざ)や上席(じょうせき)」で、目下やもてなす側が着く席が「下座(げざ・しもざ)や末席(まっせき)」です。タクシーや飛行機の席にも「席次」があります。今回は、「乗り物の席次」をご紹介しましょう。

■具体的な席次の例

交通機関の乗り物では、一般的には窓側が上席と考えられています。

①タクシーの場合

タクシーは後部座席が上席になります。後部座席の右側(運転手の後ろの席)が最上席、反対の左側の席が2番目、助手席が末席になります。しかし、ご高齢の方などが奥に乗り込みにくい場合は「手前のお席はいかがですか?」と一声かけて、腰掛けやすい席を勧めるとよいでしょう。

後部座席に3人で座る場合は、最も腰掛けにくい中央が末席になります。

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<席次例 『マナー&プロトコールの基礎知識』11ページより抜粋>

※レディファーストを勧められた時の対応

目上の方や取引先の男性のお客様とタクシーに乗る時に、女性に対して上席を勧められたら、1度は遠慮するのがマナーです。それでも勧められた時は、レディファーストと受け止めて「ではお先に失礼いたします」と言ってから腰掛けます。

②自家用車(オーナードライバーの場合)

目上の方や取引先の方が運転する場合、助手席が上席になることもあります。運転する人と同格の人が隣りに腰掛けるようにします。

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<席次例 『マナー&プロトコールの基礎知識』11ページより抜粋>

③社用車の場合

日本の車寄せは、進行方向の左側にあるので後部座席の左側に上位者が腰掛けます。

④飛行機の場合

窓側の席が良いと思う人と、通路側が良いという人に好みが分れるようです。窓側は天気が良ければ外が見えて楽しめますが、出入りの際に通路側の人に配慮しなくてはなりません。ギリギリで搭乗するような時は、通路側が良いでしょう。いずれにせよ予約を取る時は、「どちらの席がお好みですか?」と相手の意向を聞く配慮を忘れないようにしましょう。

⑤エレベーターの場合

操作盤の前が末席で、奥が上席になりますが、基本はスムーズに乗降りできることがポイントです。案内役は、お客様が1人の場合は扉を押さえて相手を先に乗せますが、複数の場合は自分が先に乗り、操作盤の前に立ちます。それは、操作盤を操作して安心してお客様に乗降りしていただくためです。

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<席次例 『マナー&プロトコールの基礎知識』11ページより抜粋>

いろいろな席次を紹介してきましたが、おわかりいただけましたか?あらゆるシーンで、上座と下座を見極めるコツを身につけておきたいですね。

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