マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

訪問先でのスマートな「靴の脱ぎ方」

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あなたは玄関で、どのように靴を脱いで上がりますか?

そのまま正面を向いて靴を脱ぐより、後ろ向きに立って靴を揃えながら脱ぐ方が良い、と思っている方も多いのではないでしょうか?

実はそれはマナー違反です。

なぜなら相手に背を向けることになり、失礼になるからです。

靴は正面を向いてそのまま脱ぎ、膝をついて靴の向きを直し、玄関の端に寄せて置きます。

この時、訪問先の相手にお尻を向けないように少し斜めに向き、膝をつくようにしましょう。

そして、脱いだ靴は玄関の下座側に置きます。

どちらが下座になるかは、下駄箱を基準に判断します。下駄箱の上に花や置物などが飾られている場合は、そこは上座になりますが、単に靴入れとして使われている場合は下座になります。

ただし、旅館や和食店で下足番がいる場合は、お客様は正面を向いて上がり、脱いだ靴は係の人に任せます。居酒屋のように自分で下駄箱に入れる場合もありますが、お店の人に「そのままお上がりください」と言われたら「おまかせします」と一言添えると良いでしょう。

夏はサンダルやミュールを素足で履くことが多くなります。

素足のまま、訪問先に上がるのはマナー違反です。

個人宅を訪問する際は、ストッキングやソックスを履いて伺い、家の中に汚れを持ち込まないように配慮しましょう。また、カバーソックスや膝下ストッキング等をバッグの中に忍ばせておけば、突然の訪問の際にも対応できます。

冬は防寒のために長いブーツで外出することがありますが、個人宅の訪問に限らず、ビジネスシーンにおいてもブーツを履いて訪問するのはNGです。

しかしやむをえずブーツで訪問してしまった時は「場所を取るものを履いてきてしまい申し訳ありません」と先方に一言詫び、手早く脱いだら、ふくらはぎ部分を2つに折りたたみ、コンパクトにして置きましょう。

靴の脱ぎ方にもTPOがあります。その時の状況に応じてスマートな対応ができるようになりましょう。