マナー&プロトコール ミニ辞典

日本マナー・プロトコール協会が正しいマナー&プロトコールの知識をお伝えします。

お墓参りのギモン あれこれ

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お彼岸に、お墓参りをする人は多いと思います。今回は「お墓参りの心得」をご紹介しましょう。

■彼岸とは?

2020年の春分の日は、3月20日です。

春分の日秋分の日を中心に、前後各3日を合わせた7日間を「彼岸(ひがん)」と言います。「彼岸」とは仏教用語で、三途の川をはさんで、私たちが住んでいる“この世”であるこちら岸は「此岸(しがん)」、そして仏様が住んでいらっしゃる”あの世“である向こう岸が「彼岸」です。すなわち「彼岸」とは、煩悩を脱した悟りの境地を指します。仏教行事ですが日本独自の先祖供養のしきたりです。

お彼岸の初日は「彼岸の入り」、春分の日秋分の日は「彼岸の中日」、そして最後の日は「彼岸の明け」と呼ばれ、この間に行う仏事を「彼岸会(ひがんえ)」と言います。

お彼岸に先祖供養をするようになったのは、この時期に太陽が真西に沈むため、仏教の「西方浄土の信仰(西方に仏が住む極楽浄土があるとする)」と結びついたためと言われています。

■お墓参りの作法は?

「こうしなければいけない」という特別な決まりはありませんが、基本的な流れや一般的な作法を頭に入れておくと良いかもしれません。

お墓参りは、大切な人やご先祖様に感謝し、手を合わせ、故人を偲び、語りかけることが大切です。

■お墓に供える物は?

仏様にお供えするものを五供(ごくう)といいます。宗派によっても異なりますが、一般的にはお香(線香)・お花・灯明(ロウソク)・お水・お供物(食べ物)のことです。この5つ全てが揃っていなくてもかまいません。

大切なのは心を込めて合掌する事です。

■お墓参りの服装は?

回忌法要などを行う場合は喪服等を着用しますが、普段のお墓参りでは、お墓の掃除も行うとはいえ、他の墓参者へ配慮して派手な色やデザインは避けて、お寺や墓地の雰囲気に合った地味めの服装がおすすめです。

■お墓参りの手順は?

  1. まずお墓の掃除から始めます。墓前で一度合掌してから周囲のゴミを拾い、草むしりをしてから、墓石に水をかけ汚れを落とします。墓石を洗う為に洗剤を使ったり、お酒をかけるのは環境にも悪く、墓石を傷めることになるのでやめましょう。
  2. 手桶に水を汲み、柄杓で墓石に水を流して清めます。
  3. 花立にお花を、水鉢(墓石の中央のくぼみ部分)に水をはり、お供物を置きます。ただし最近はカラスの被害もあり、供物は持ち帰るのが基本です。
  4. お線香をあげ、合掌します。複数でお参りに訪れている場合は、故人との間柄が深い人から順番にお参りします。

■お線香やロウソクの火の消し方は?

お線香やロウソクの火を吹き消す時は、息を吹きかけて消してはいけません。生ものや肉を食べる人の息は、仏教では穢れ(けがれ)が含まれていると考えられているからです。

手であおいで、その風で消しましょう。仏壇にお線香をあげる時も同様です。

忙しい現代人は、お墓が遠方にあったり、時間が取れなかったり、様々な理由でお墓参りに行くことができないことも多いと思いますが、お彼岸の時期には故人を思い、偲ぶことが大切です。忘れないように心がけたいものです。

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